CAPAとは( Corrective Action & Preventive Action )の略で、是正処置及び予防処置のことを言います。 ISO13485でも同様のセクションがあるのでお馴染みでしょう。 そこでFDAの統計を見てみると、CAPAがFDA査察で指摘のワースト3に入っている事がわかります。 これはISOの認証を取得していてもCAPAで指摘を受けるという事実を示していて、FDA査察準備の最大のポイントでもあります。
FDA品質システム担当官はこう言っています。「 CAPAを理解していない会社が多い、特に海外の会社はこれを全く理解していない。 」 「 最大の問題は、CAPAの手順が適切でなく効果もないことだ。 」
FDAは査察で何を見ようとしているのでしょう?
FDA査察官向け査察ガイド( QSIT )を見ると、CAPAは重要な査察項目の一つとして上げられており、CAPAのエビデンスとその手順を見ることで企業の製品に対する品質改善や法順守の姿勢が見えてきます。 規制当局が注目しているのは、人に対する危害を除去するプロセスとその結果です。 医療機器・IVDの品質不良は人の命に直結してしまうからです。
なぜCAPAの指摘が多いのでしょう?
それは米国からの苦情への対応と、それに伴う設計変更のエビデンスの査察にあります。 一般にISOのみの企業ではISOの解釈に問題があり、特にCAとPAの違いを理解していません。 PAに関しては手順がまったく間違っており、査察の際にエビデンスも出てきませんから予防などできていません。 さらに修正と是正の違いを理解していないので問題は再発しています。 また、設計部門には設計CAPAというプロセスがないため、同じ問題が新しい製品でも再発してしまいます。 このことをFDAは指摘の結果から統計的に理解しているのです。
CAPAはキープロセスか?
品質システムはプロセスアプローチだと明確に記載しています。 プロセスを改善するツールがCAPAであり、CAPAプロセスです。 システムがうまくまわり、品質が改善できているかどうかは、監査の際にマネジメントレビューの結果を見ればそのことを良く理解出来ます。 規制だからではなく、品質を戦略として捕らえている会社では、マネジメントレビューで監視しているパラメータが違うのです。
ISO認証を取得しているから大丈夫という考えを捨てCAPAの仕組みを再構築しないと、FDA査察にパスしないばかりではなく人の命を奪うことになってしまい、事業が続けられなくなってしまいます。
クオリス・イノーバでは、CAPAだけのコースを設定しています。 一番指摘を受ける項目に着目し、準備することにより、Warning Letter に通じる大きな指摘を受けないようにするためです。 また、CAPAがシックスシグマに通じる、よい改善ツールであることをお伝えしています。 詳しくは、FDAセミナーのページ、開催予定セミナーを御覧下さい。 ( 参考:ワンポイントレッスン )
エキスパートにより完訳したQSR対訳本 『 21CFR Part 820 品質システム規制 対訳 』( 第2版 )はこちらから。