7. 科学的根拠に基づき工程を設計する

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客先GAP監査で製造工程パラメータの根拠を尋ねると、科学的なエビデンスを提出できないことがほとんど。そこで工程バリデーションを指導すると、品質に問題が無いのになぜ勘に頼る製造法だといけないのかと煙たがられてしまう。

山口県岩国市周東町に今話題の純米大吟醸酒を作る旭酒造がある。まるでワインのような飲み口で今では入手できないほど有名だ。酒を嗜まない私の興味はむしろその造り方にある。いわゆる酒造りの翁である杜氏がおらず、作り手は若く経験の浅い社員がデータに基づく手順に従って作っていること。それでも評価の高い味と安定した物作りを実現している。これは杜氏の勘と経験に頼る作り方から、実験を積み重ね科学的なデータに基づく製造方法を作り出したからに他ならない。 

同じように医療機器でも工程設計時のプロセスバリデーションで設定パラメータを抽出していく。旭酒造は米に水分を含ませる時間や発酵に最適な時間を実験により導き出している。医療機器の場合もバリデーション工程では設定した根拠を実験計画法などによる統計的な組み合わせ試験から導き出す。

なぜか?

工程にバラツキがある医療機器は患者の命に直結してしまうから。しかし、現状は工程のバラツキさえ統計的に監視しようとせず、出荷してからお客様からの苦情の多さに悩んでいる。例えば苦情の原因解析は、パラメータの設定値に問題があったそうだ。。。

 

* 820.30 設計管理 の適用範囲は製品設計と工程設計。 唯一異なるのは設計バリデーションで、工程設計の場合は、820.75 プロセスバリデーションが適用となる。 工程バリデーションコースのみを実施せず、設計管理コースを含め2日間で実施しているのはこのため。 また、製品設計者も工程設計を理解していないと製品設計にそのニーズを反映させることができないから。 

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