日本の大手医療機器メーカーの米子会社が医療機器の一部販売停止と制裁金28億円の支払に合意、2011年3月23日付でメディアが一斉に報じ、日本の親会社の株価も同時に下がりました。 この28億という数字、メディアをあれだけ騒がせたトヨタリコール問題でトヨタに課せられた制裁金15億を凌ぐ高額なものです。 いったい何があったのでしょうか? FDAがウェブサイトでリリースしているニュースを読むとその詳細が明らかです。 FDAの査察で一度 Warning Letter (警告書)を受けると、再査察では通常の査察とは異なる特別査察になるので周到な是正をしておかないと2度目の警告書を受け取ることになります。 例に漏れず、この会社は2004年に1回目、2006年に2度目の Warning Letter (警告書)を受け取っています。 さらに2010年の査察の際、ついにFDAはこの会社に対して販売停止と制裁金を課すことを決定しました。 FDA所轄のCDRH( 医療機器・放射線保険センター )ディレクターのコメントが非常に印象的です。 「 医療機器製造業者は、FDAのGMP及びMDRを順守しなければならない。 今回の措置が良い例だ。 医療機器が安全でその性能を満たし高品質であることを規制することで患者を守っているのだ。 」
高額な制裁金を支払わなければFDA警告書の意味を理解できなった代償はあまりにも大きい。 日本の医療機器メーカーのトップマネジメントは真剣にこの事を理解しようと努めなければ、今度は自社がこのような代償を払うことになるでしょう。