メジャーな認証機関からISO 認証を受けているのでFDA査察も大丈夫だと勘違いし、実際の査察でかなりの指摘を受ける企業が目立つようになりました。( 以前からそうかもしれない。。) 私はISOを否定するわけでは決してないので予め断っておきますが、認証の仕組みが悪い。 認証機関にとって企業はお客様で、あまりひどい指摘をすると厳しくなく安価な認証機関に乗り換えられてしまうので本当は沢山の指摘があるにもか関わらずだいたい6件以上の指摘はしません。 ましてや更新審査になると指摘が多くあると更新ができず、監査員もその処理が大変なのであまり多くの指摘をしたくありません。 それを受けて企業ではマネジメントレビューで指摘が数件で問題がなかったと報告され、マネジメントも品質システムはまったく問題はないと大きな勘違いをしています。 まさに悪循環です。
それだけではなくISO監査ではほとんど設計管理では大きな指摘を受けることはありませんがFDA査察では2番目に多い指摘です。 設計管理ではこれでだけやっておけば大丈夫という導入の仕方しか教えられていないので、どうやったら設計品質を上がる事ができるのかという本質的な事を学んでいません。 そういった経験をした監査員が監査をすれば自ずと指摘はできないでしょう。
また、多くの企業では品質問題の再発が多発していて困ると嘆いておられます。 ISO監査でCAPAが指摘されることはあまりあまりありませんが、FDAでは逆に指摘の一番多い項目でもあります。 CAPAを確実に実施しないと品質問題は再発してしまうのですが、CAPAを理解している企業はまずありません。 品質改善は日本のお得意だったはずなのに。。残念です。
どうやったら品質がよくなるのかという監査をISOの審査機関は行いません。 逆にFDAは不具合報告やリコール情報の解析から何が問題なのかを統計的に理解していて、ガイドラインを作って企業を啓蒙しています。 QSRを理解するにはガイドラインを理解する必要がありますが、これらのガイドラインは、シックスシグマの品質改善活動を経験した私から言わせて頂いても的を得ています。
残念なのはISOの品質システムをしっかり行っていれば品質がよくなると大きな勘違いをしていることです。 これには若干の補足があって、本質をしっかり理解した上での話です